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防災
2020.01.24

地震の記憶|世界最大の地震

チリ大地震から学ぶ

1960年5月22日、チリ南部のバルディビア付近で発生した「チリ大地震」。
この地震は近代地震学計器観測史上で世界最大とされています。
また米国地質調査所は「20世紀の最大の地震」としています。
この地震により首都サンティアゴをはじめ全土が壊滅状態となり
チリで死者1,743名、負傷者667名の大きな被害がでました。

津波による被害

チリ政府は約2,000,000人が家を失ったとしていますが
本震が15時11分14秒と午後に発生し、強力な前震が発生したこともあり
屋外に避難していた人が多かったことで倒壊による死者、負傷者は
地震の規模にしては少なかったとされています。

この地震で亡くなった多くは津波によるものでした。
プレート境界型地震の特徴である巨大な海底変動により大津波が発生します。
地震発生15分後には約18mの津波がチリ沿岸部を襲いました。
約17時間後にはハワイ諸島を、22.5時間後には日本に津波が到達しました。
地震発生からほぼ1日たってからの到達です。
日本では死者・行方不明者142名、負傷者855名の甚大な被害が出ました。

生死を分けた60年前の津波の記憶

チリ地震津波(1960年5月22日)三陸
チリ大地震の津波は遠く離れた三陸海岸にも最大で6.1mのものが到達しました。
気象庁は三陸海岸をはじめ日本の各地に被害をもたらしたこの津波をチリ地震津波と命名しています。
東日本大震災が発生した時、チリ大地震の津波被害の記憶が
生かされた地域も多くあったと聞いています。

記憶・記録のデジタル化

1960年のチリ大地震の当時にはインターネットなどなく残っている映像や写真も白黒です。
2011年に発生した東日本大震災がデジタル記録を誰でもできるようになってから最初の日本での大災害だとされています。
しかし、その貴重な記録も保存・管理をしなければ数十年後には継承できなくなると専門家は警鐘を鳴らしています。
そこで国立国会図書館は2013年3月、震災アーカイブ「ひなぎく」を公開しました。

1960年のチリ大地震の記憶が東日本大震災でも助けになったように
大災害の記憶を後世に残して行くことは減災にとって重要なことです。

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