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防災
2021.02.04

凍りつき症候群|災害時の人間の心理と本能

小学生の私がドラクエ2をやっていたときです。
勇者の名前は自分の名前にしていました。序盤。勇者の一人旅。
モンスターにやられ「●●はしんでしまった」と画面に出ました。
横でみていた母親が大笑いして「もう一回やって!もう一回やって!」と言いました。
母親は自分の息子が本当に死ぬなんて想像していなかったので大笑いしたんだと思います。
人は自分や自分の大切な人が死ぬとは想像していません。
自分だけは大丈夫。災害に遭ったとしても冷静に行動ができる。
多くの人がそう考えています。実際はどうなのでしょう。
災害時には人間の心理や本能が避難時の行動に大きく影響します。

正常性バイアス・・・自分は大丈夫と考えること。
同調バイアス・・・周囲に合わせようとする心理。
凍りつき症候群・・・ショックによる茫然自失。

今回はその中の「凍りつき症候群」について書いていきます。

災害が起こったときの人の行動3パターン

Aviation,Space, and Environmental Medicine誌に掲載された
イギリスの心理学者ジョン・リーチ博士の研究。
災害に遭った人の行動を3つに分類しています。

・落ちついて行動できる人=10~15%
・取り乱す人=15%以下
・ショック状態に陥り何もできない状態になってしまう人=70~75%

大多数の人は冷静に行動ができません。そればかりか取り乱すこともありません。
70~75%が「凍りつき症候群」になるのです。

凍りつき症候群とは

不意の大災害や大事故に直面すると身も心も凍りついたように停止してしまいます。
人によって持続時間に違いがあり、数秒の人もいれば、数分以上という人もいます。
災害時にはその数秒が生きるか死ぬかの分かれ道になります。
東日本大震災の時にも津波が迫る中、逃げることなく立ち尽くす人が多くいたとのことです。

凍りつき症候群からの回復方法

周囲の人の助けが必要です。
「津波が来てる。高台まで走れ」等、具体的な内容で声をかける。
名前が分かる場合には「●●!」「津波が来てる。高台まで走れ」と続ける。
それでも回復しない場合には身体をゆするなど刺激を与えます。
自分とその人を守るため状況によっては強引に避難させることも必要です。

「津波避難の三原則」

群馬大学大学院の片田敏孝教授が提唱しています。
これは津波以外の災害にも当てはまるものです。

1.想定にとらわれるな
2.最善を尽くせ
3.率先避難者たれ

率先避難者とは率先して危険を避ける行動を起こす人
そして周囲の人にも同様の行動を促し、危険回避行動を起こさせる人のことです。
想定にとらわれず、最善を尽くし、率先避難者になるためには
「凍りつき症候群」を回避する必要があります。
災害時には「凍りつき症候群」になる人が一番多いと理解しておくことが重要です。
自分だけは大丈夫。そんなことは絶対にないのです。

それではまたblogを書きます。

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