- 防災
- 2025.12.09
【解説】「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されました~今、私たちがとるべき行動とは~
本日(12月9日)午前2時、青森県東方沖で発生した地震を受け、気象庁より「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されました。
この発表や度重なる大きな地震のニュースに、改めて「いつ、どこで起きてもおかしくない」という現実に心が痛むと同時に、日頃の備えの重要性を強く感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回の発表を聞いて、「後発地震注意情報ってなに?」「すぐに避難しなきゃいけないの?」と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
この情報は、2022年12月から運用が開始された制度で、今回のようなケースで発表されることは想定されていたものです。

内閣府の情報を基に、今私たちが知っておくべきポイントを5つにまとめました。正しく恐れ、冷静に行動するためにぜひご一読ください。
目次
1.日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震とは?
まず、今回の情報の背景にある「巨大地震」についてです。
北海道から岩手県の沖合にある「日本海溝・千島海溝」沿いでは、過去にM9クラスの巨大地震と巨大津波が繰り返し発生しています。
痕跡調査などから、その発生間隔は約300〜400年とされており、前回の発生から時間が経過しているため、現在、巨大地震の発生が切迫している状況にあると考えられています。今回の注意情報は、このエリアで発生する巨大地震への警戒を呼びかけるものです。
2.北海道・三陸沖後発地震注意情報とは?
この情報は、日本海溝・千島海溝沿いの想定震源域で M7.0以上の地震(先発地震) が発生した場合に発表されます。
過去の事例(2011年の東北地方太平洋沖地震の前震や、1963年の択捉島南東沖地震など)では、大きな地震が発生した後に、それに続いて さらに大きな巨大地震(後発地震) が発生したケースがあります。
統計的に見ると、M7以上の地震の後、7日以内にM8クラス以上の巨大地震が発生する確率は「100回に1回程度」とされています。確率は低いものの、平時に比べれば高まっているため、この期間(1週間程度)は特に注意が必要です。
3.北海道・三陸沖後発地震注意情報はどのように発信されるの?
今回のケースのように、先発地震が発生してから約2時間後を目処に、気象庁と内閣府から合同で発表されます。
テレビ、ラジオ、スマートフォン(緊急速報メール等は自治体による)などを通じて情報が伝えられます。
この情報は「地震予知」ではありません。「必ず地震が来る」というわけではありませんが、「いつ来てもおかしくない」状態が普段より高まっていることを知らせるためのものです。
4.情報発信で防災対応をとるべきエリアは?
対象となるエリアは、北海道から千葉県にかけての太平洋側を中心とした広い範囲です。
具体的には以下の地域が該当します。
- 震度6弱以上の揺れ が想定される地域
- 3m以上の津波 が想定される地域
これらの地域にお住まいの方は、特に警戒が必要です。
5.防災対応は何をすればいいの?
最も重要なのは、「事前の避難は行わず、日常生活を続けながら、すぐに逃げられる準備をする」 ことです。
社会活動を止めて事前に避難(事前避難)することまでは求められていません。情報が発表されてから 1週間程度 は、以下の「特別な備え」を徹底してください。
【今すぐ確認!防災アクション】
- すぐに逃げられる服装で就寝する:枕元にスニーカーや防寒着を用意しましょう。
- 非常持出袋を常時携帯する:いつでも持ち出せるよう、玄関や手元に置いてください。
- スマホの充電と音量確認:緊急地震速報や津波警報を逃さないようにしましょう。
- 家族との連絡手段の再確認:いざという時の集合場所を決めておきましょう。
- 家具の固定:寝室に背の高い家具を置かない、固定を見直すなどが大切です。
- 高齢者等への配慮:避難に時間がかかる方がいるご家庭は、自主的に安全な場所へ身を寄せることも検討してください。

もし結果的に大きな地震が起きなかったとしても、今回行った準備は決して無駄にはなりません。
この期間を 「防災対策を見直す重要な機会」 や 「予行演習」 と捉え、万が一の事態にしっかりと備えておくことが、あなたと大切な人の命を守ることに繋がります。

弊社ピースアップでは、日頃からの備えに役立つ防災グッズを多数取り扱っております。この機会に、ご自宅の備えを今一度見直してみてはいかがでしょうか。
参考リンク:
内閣府:北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/hokkaido/index.html

